毎週日曜あさ7時〜放送「堀江政生のザ・シンフォニーホール・アワー」

ザ・シンフォニーホールで行われる公演の聴きどころ、豪華ゲストを招いてのお話をクラシックの名曲とともに、堀江政生アナウンサーの解りやすい解説でご紹介します。クラシック通の方も、クラシックはまったくわからないという方も楽しんでいただける番組です。

堀江ブログ

2022年5月18日ザ・シンフォニーホールの情報誌「シンフォニア」Vol.51
「堀江政生のシンフォニア・アワー」vol.51
〜未就学児大歓迎コンサート〜 より

40年近く前。ちょうど、ザ・シンフォニーホールが出来て間もない頃でしょうか、『子供達を責めないで』という歌が流行しました。不思議な歌でした。歌といっても、音程はなく、セリフだけ。ひたすら「私は子どもが嫌いだ」と叫びながら、「礼儀知らず」「無神経」おまけに「足が臭い」など嫌いな理由を矢継ぎ早にあげつらう。『責めないで』というタイトルにもかかわらずです。子どもが好きな私は、当然この曲が嫌いだ!ラジオや喫茶店で流れていただけなのに、いまいましくも未だにけっこう覚えている。「私は子どもに生まれないでよかったと、胸をなでおろしています!」(ここが一番好き!いや嫌いです!!)

閑話休題。
4月3日、ザ・シンフォニーホールには、およそ200人の子どもが集まりました。守山俊吾さんの指揮、シンフォニア・アルシスOSAKAとワールドシップオーケストラ合同演奏会『家族で楽しむクラシック〜春休み、子どもたちと、未来へ』

0歳児から入場できるわりには、展覧会の絵、ユーフォニアムやアルトサックスの協奏曲、リスト、ラフマニノフのピアノコンチェルト。休憩込みの3時間とは、子どもたちにとっていきなりの1000本ノック。幼少の堀江政生だったら絶対言う。「もう帰ろう!」。ぐずる子もいた。歩く子もいた。本を読んだり、あやとりしたり。一方、子どもたちにも本物を聴いてもらおうと、演奏に魂を込めたプレーヤーたち。その音色に目を輝かし、全身でリズムを刻んでいる幼児も少なからずいたということをしっかりと報告しておきます。子どもたちが、クラシックの殿堂でリストやラフマニノフを味わっている光景に、ほほえましくも頼もしさを感じたのでした。

さて、「大人だけで刹那的に生きよう」。冒頭の歌の一節です。大人は刹那。子どもは未来。子どもの大切さを反語的に訴えるひねくれた歌だったんですね。やっぱり私はこの曲が嫌いだ!(笑)

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